管理人・白野 識月<シラノ シキ>の暴走度90%の日記です。 お越しのさい、コメントしてくださると嬉しいです。
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今日は今日で腹痛で寝不足でした。何だこの連夜の睡眠不足は。
驚きですね。ってか眠い。眠い・・・。

目覚ましテレビ見て思ったのですが、プロポーズって大切ですね。初期土沖はプロポーズないと思いますが。

「おきたぁー」

「何ですかってか暑い寄るなオヤジ」

「結婚しね?」

「別にいいですけど? ちゃんと小遣いくださいね」

みたいな。





それでは遊郭ネタ最終話!
がっかりするできです(笑)




















なんとか無事廓を抜け出して、辿りついたのは無人の俺の家。親父は一週間近く帰って来ないと言っていたから、その間は匿える、はずだ。
走って乱れた袷を調え、ソファにちょこんと座った彼女を見てからドカッと向かいに座る。勝手に台所を用い茶をいれた風太郎に文句を言おうとしたけれど、俺らの分もいれてくれたらしく、開きかけた口を閉じる。
風太郎も座るのを待ってから話しだそうとするが、意外にも珠羅が最初に口を開いた。

「何で連れだしたんですか? あそこは自治区なんですよ? 捕まったら、どうなるか・・・」

「捕まらない自信があるから助けたんだよ。なぁ、聖羅」

「そうそう。ま、捕まったら逃げりゃいいんだ。・・・それより、これからどうするかだな」

あの店は警察へ届けを出すだろうから、迂濶に外へは出れないだろうし、うちにも親父が帰ってきたら隠し通せはしない。風太郎の家は吉原の中だし、俺が借りてる家ぐらいしか、ない。
いくら美女だろうと、腹違いだろうと妹相手に色恋は出来ない。ポジション的には風太郎が一番おいしいじゃねぇかなどと腹が立つけれどそんな大人げないことほざけるわけもなく悶々としていると、リリリリン、と聞き慣れた電子音。

「一寸でてくる」

「りょーかい」

リビングを出て突き当たりに置かれている、見た目は古めかしいアンティークだが電話帳機能もついている特注品の電話をとる。
数年前から家政婦をやってくれている伯母は、父がいないときは休みとなっているため確かいまは旅行中だ。電話を掛けてくる可能性は低い。

「はい」

『ああ、聖羅か。私だ』

「・・・親父。なんかあったのか?」

親父から電話とは珍しい。
親父は大体、用があるときは秘書に伝えるため、秘書から掛ってくることは幾度もあったが。
・・・一度も、父から直接電話がかかってきたことも、用があって掛けて父が出たことも、ないと言い切れそうなぐらい珍しい。

『・・・何かあった、というならお前の方だろう。知らないのか?』

「何が?」

『時雨屋から菊姫が連れ去られたらしい。―――二人の男によってな』

「へ、ぇ」

もうそっちまで情報がいっているのか、と感心するが珠羅は親父にとって実の娘なのだ、それは当然のことかもしれない。
・・・にしても。
それを俺に言うというのは、俺に何か疑惑があるとか何か思惑があってのことだろう。
流石親父、勘が鋭い。

『・・・仕事が早く終わってな、明日の午後には帰れることになった』

「そっか、わかった。それだけか?」

『ああ。・・・廓に金は払っといたから何も心配しなくて大丈夫だ、聖羅。それじゃあ、』

「―――え、」

ツーツーとありきたりな音は洩れた呟きに返事をしてはくれない。

あの人は、今、何と?

壁に背を預け、座り込む。ショートしかけている頭をどうにかフル回転させる。
持って生まれた洞察力、鋭い勘。同じ遺伝子を受け継いだ息子が事実を、真実を知ったときどうでるか、予想できていたに違いない。

―――――全て知っていやがった。

大したもんだというよりは、結局こうなるのだったらさっさと身請けしとけばよかっただろ、といいたくなる。

それに。
あの、言葉は。





「大丈夫よ、聖羅」

燦々と輝く陽を受けた黒のしなやかな髪をキラキラ輝かせて、彼女は俺の頭を撫でた。
大丈夫なはずがない、だろうに。口を開いたら堪えきれず泣き出してしまいそうで、何も言えず歯をくいしばってフルフル首を振った。

「大丈夫。私は此処にいれただけで幸せだったから」

そういって一度、彼女は俺を抱擁し、後ろに立っていた珠羅の手を引き歩いていく。



―――――あの言葉は、珠羅の母親であるあの人が俺に言ったんだ。
行かないで欲しいと言った、俺に。

「聖羅?」

少し開いているリビングのドアからひょこ、と風太郎は顔を覗かせ小首を傾げどうしたんだ、と問う。なんでもない、と返して立ち上がりリビングへ戻る。

思い出したことがある。
珠羅達がこの家に居た頃のことだ。
珠羅と母親の部屋は同室だった。まぁ、珠羅は小さかったし何処の家庭でもまだ親と寝ていた年頃のはずだ。
着替を取りに行くとかで部屋へ戻った母子を追い、ある日、初めて俺はその部屋の中へと入った。
与えられていたのは和室。彼女も、珠羅も和服を着ていたから当然、といえば当然だ。家の中で、和室はそこだけだったし初めて入る異性の部屋だったし、とみっともないぐらい俺はきょろきょろしていた。
そして目に入った。床の間に飾られた、厳かな雰囲気を纏う額縁を。

そう、あれには―――――・・・

風太郎に言うべきか言わざるべきか悩みつつ、静かに座っている珠羅を見つめる。
彼女が客をとらされなかったのは何故か。答えは簡単だ、だけど。
思い違いならば良いと、思うのは少し不純か。

「・・・兄上は既にご存知、ですよね?」

「・・・今気付いた」

「え、ナニナニ? なんなのさ」

自然に気付け、などと言われたとて、気付ける人間はいないだろうと思う。
だから俺が気付いたのは奇跡のようにも思える。

「・・・なんなのさ」

「つまりはな、うん。・・・珠羅は男だってこと」

「へ~。・・・・・・・・・ええぇぇぇぇぇ!!!!!!」

ドサッ。
驚き過ぎて椅子から落ちた風太郎は尚も後退りを続け、壁際まで後退する。こんな驚き方をする人間を始めて見た。
苦笑まじりに困ったような顔をした珠羅がどうするべきかと俺を見遣る。もう一方からも熱い視線を受けもう俺穴開いちゃうんじゃねぇの、なんて茶化したら風太郎が怒るだろう。

「嘘じゃねぇからな。・・・とにかく戻れ。結構引く、ソレ」

「引かないで引かないで。親友お前だけなんだからぁ」

慌ててソファへ戻る風太郎を茶を口に運びながら眺め、やっぱショック受けるよな、なんて傍観者の如き思考を浮かべる。
世の中、計画通りにいくものではないらしい。
親父には露見しているし、姫は実は王子だったし。

「体が弱かったから女装するよう躾られていて・・・そのまま廓へ行っちゃって・・・紛らわしくってすみません」

「まぁ、お後がよろしいようで、いいんじゃね?」

「いいのか? それでいいのか? 俺の恋は散ったんだよ? よくなくない?」

不満気に唇を尖らせる風太郎を見てクスリ。
微笑を浮かべた珠羅につられ、ふてくされてた風太郎までも笑いだした。





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