管理人・白野 識月<シラノ シキ>の暴走度90%の日記です。 お越しのさい、コメントしてくださると嬉しいです。
| Admin | Write | Comment |
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
[07/12 愛里]
[06/30 愛里]
[06/29 愛里]
[08/07 kazu]
[07/09 和葉]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
白野 識月
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

こんにちわ!明日から修学旅行・・・!ドッキドキな識月です。まだ持ち物の準備してません(笑)



では小説。出来たけどあと一話ぐらいありそう・・・














「・・・綺麗な髪ネ」 

「アンタも、」 

髪がピンク色だ。月夜に映える白い二本の足、真っ赤なチャイナドレス。街中でみかけたら思わず振り返るような、殺人や万引きに絶対向いてない格好だな、なんてぼんやり思った。 

その女はしゃがみこみ、猫にミルクを上げると愛しそうに頭を撫でた。その姿を見て、こんなトコにつっ立ってても意味ないし、と背を向けると、引き留めるように声をかけられた。 

「猫、お好きなの?」 

歩き出そうと前に出した足を引っ込め、どうせこの後何も用事ないし、と猫に視線を戻した。 

「とあるお人が、俺に似てるっつうんでさァ」 

「あら・・・彼女アルカ?」 

独特な話し方に度肝を抜かれたけど俺の事だ、顔にはちっとも出てなかっただろう。思った事を顔に出さない、どんな時でも豹々としてて、どうでもいいやつには決してこびない。そんなとこ全部が、猫みたいでムカつくと土方さんは言ってたけど、俺的にはあの人のほうが猫みたいだと思う。 

「全然違いまさァ」 

「・・・ふーん、そうなの」 

「職場の上司ってか目の上のたんこぶ的な存在のヤローが言ってやして」 

「私も部下に言われたヨ。お前は猫のように誰も頼らず、一人でやってるよな。頼ってるフリをしてんだけど、足手まといになったらすぐ切り捨てるだろ、って」 

「それは、猫なんで?」 

「平気で裏切るって言いたいんでしょう」 

じゃあ、土方さんもそうだったのだろうか?お前もいつか、裏切るんだな、って? 

あの時の苦虫を踏み潰したような顔も憶えている。悟ったような、声も。 裏切る前に、俺と土方さんには絆も信頼もないのに。 

考え事を読んだかのように、女は口を開いた。 

猫が、ミルクを飲み終えてどこかへ行った。 









夜光の裏側 








「こないだの人ネ?警察の人だったの・・・」 

「そういうアンタも」 

ちっとばかし驚いた。知り合いがやってるとは思っていなかったから。いや、知り合いじゃないか、ただ、一度話をしただけの人。だけど、 


『仕事は仕事だ。知り合いだろうが親戚だろうが、余計な感情抱いちゃいけねぇんだよ』 



「この間と、同じような台詞ネ」 

「・・・俺はアンタと世間話しに来たんじゃありやせん」 

でしょうね、と小さく聞こえた気がしたけど、気のせいだったかもしれない。彼女は机の上に預けていた上体を起こし、椅子に深く座った。飴を机の上に転がし、音をたてず引き出しから一枚の紙切れを取り出した。 

「私も時間ないのヨ」 

飴の包みを手に取り口に入れると、籠から一つ、投げて寄越した。食べてみると、甘ったるいミルクの味にほんのりスゥッとするハーブかなんかが口に広がった。 

これがあの人が取り返してっつってた飴玉か。意外と美味しい・・・じゃなくて。やっぱ籠ごと返して貰うべきか。 

じゃなくて仕事だ仕事。 

「俺、早く帰りたいんで正直に答えなせェ」 

「正直?麻薬の密売なんて、するわけないでしょう」 

正論だ。だけど、火がねぇとこに煙はたたねぇとかなんとか言うし。 

まァもし密売してたとしても馬鹿正直に言う訳ないんだけど。 


その時、キシ―――と階段の方から足音が響いた。 

「沖田さァん。何もありませんでした」 

「山崎・・・。アホですかィ?堂々とそんな事言うなィ」 

「何もない、ですってよ?」 

クスッと嘲け笑うように微笑まれ、口角を上げ笑い返した。 

「んじゃあ、その飴貰って帰りまさァ」 

つかつか、と机の前まで歩み寄り、飴が山積みにしてある籠を左手に持った。きょとん、とした目で見上げられ、噴き出したい衝動に駆られたけれどなんとかやり過ごした。 

「・・・待つヨロシ」 

「なんですかィ?」 

「お前、名前は何て言うアルカ?」 

「人に聞くときはまず自分が名乗るもんだろィ」 

「・・・神楽」 

渋々、といった風に告げられた名前を反復し、くるりと振り返った。それに合わせ、神楽も立ち上がり、近付いてくる。 

「俺は沖田総悟でさァ。まァ、多分もう会うこともなさそうですがねィ」 

「それはわからないヨ?」 

「え・・・?」 

ニコッという笑顔と内側から閉じられた扉に、続きの言葉は憚れた。

PR
この記事にコメントする
+Name+
+Title+
+Mail+
+URL+
+Comment+
+Pass+
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[173] [172] [171] [170] [169] [168] [167] [166] [165] [164] [163]

Copyright c kagerou。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By Mako's / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]