下の小説、昨日書いてたんだけど、私は予言者だろうか。だって嵐ネタ書いてたら今日嵐ですよ?雷が綺麗でした・・・。じゃなくて、さりげなく感動。
今日は墓参り行って参りました。なんかね、伊達さんとか近藤さんとか名字のオンパレードでした。
そういえば今日は選挙日でしたね。今、我が家のテレビで放送していますが、全然わかんない(笑)
吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべ山嵐を あらしといふらむ
嵐の夜に
ピカッ。
空が轟いた。暗闇の中を、光が一筋落ちる。
「・・・」
「・・・」
二つのゴクリと唾をのむ音が重なった。
ゴロゴロロ・・・。
地を揺るがすような低い音が、雑音を消す。
「うぎゃあ」
「うわぁっ」
またもや二つの声が重なり、室内には静寂が訪れる。室内はろうそく一本しか明かりがなく、二十畳程の部屋には物足りないぐらいだ。フーと、紫煙が空を漂った。
「・・・何?雷怖ェの?お前ら」
笑いを含んだ声に沖田は伏せていた顔をガッと上げるが、いつもの余裕は無く蒼白だ。
「んなもん怖いわけねぇだろィ土方コノヤロー!」
「私はこんなもんヘノカッパヨ!コイツと一緒にするなニコチン中毒!」
全く同じ表情の二人が可笑しくて、口元が緩んだがこの暗さだ。気付かれてないだろう。
「アンタが怖いんじゃねぇの?土方さん」
「ハァ?」
漸く虚勢をはるまでに気力が回復したのか、ニヤリと笑い沖田は詰め寄る。それに悪のりし、神楽も横に並ぶ。
ザァァァァという豪雨の中、微かに鈴の音が聞こえる。いや、これは風鈴だろうか?
「雷なんざ平気だぜ?俺には怖ェものなんざねェ」
少しオーバーだが、一応本当のことだ。幽霊なんて非科学的なもの信じてない。それ故怖くない。
またピカッ、と空が白く光った。
ビクリ、と二人のクソ餓鬼は身をすくめる。
先程の二倍もあるだろうか。それぐらいの轟音が鳴り響く。
「うわぁぁぁっ!?」
開け放した扉から風が入りこみ、ろうそくの炎を揺らした。薄い闇が、暗闇へとかわる。
ギュッ、と、手に何かが触れ、強く掴まれる。それがもしひんやりしたものだったらすぐさま振り払っていたが、暖かい。人の肌と同じ温度で、怖がりのどちらかの手だな、とあたりをつける。
「・・・誰か火ィつけるアル」
「それより先に、戸ォ閉めろィ」
声が震えているのが可笑しくて、つい噴き出してしまった。笑い声を押し殺そうとするが、笑いは止まらない。
「何笑っていやがるんですかィ。アンタ可笑しくなったんじゃねぇの?」
「雷様の祟りだヨー」
「いや、違うだろ。フツーに」
「いいから土方さん。戸を閉めろってば。手ェ離してやるから」
パッと解放された手が湿ってて、マジでビビってんだなぁと感じいる。
「ってか誰だよ俺の手ェ掴んでんの。パフェこぼれちゃったんだけど。最後の一口だったんだけど」
悲鳴とともに響いた金属音はそれだったのか、とボンヤリ思う。そんなんわかっても全然嬉しくないけど。
「ってか何一人でパフェなんざ食ってんですかィ?」
「ってかさ、なんで俺らは電気も通ってない山ん中の寺にいんだよ」
「知らねぇよ。成り行きだ成り行き」
「いいから銀ちゃん火ィつけるヨロシ。手ェ離してやるから」
「はいはい。うるせぇ餓鬼だなァ。さっさと帰りてぇんだけど」
面倒だ。と思いつつも立ち上がり、戸を閉める。ついでに窓も閉めると、マッチの擦る音がし、室内を再び柔い明かりが照らす。仏像の真ん前、体育座りで座る破壊魔二人は、今はおとなしく手まで繋いでいる。
「何だよ、ラブラブじゃねぇかお前ら」
「アンタ目ェくさってんじゃねぇの!?んなこと俺はしやせん!」
「本当ヨ!ニコチンが脳にまで回ったネ!」
落ちたパフェを見つめつつ、坂田はボソリと呟く。
「手ェ重ねたままじゃ信憑性ねぇぞぉ。気付け若人」
手を離すタイミングまでもが全く同じで、二人は顔を見合わせ怪訝そうに眉を寄せる。
「・・・お、月出てんぞ」
戸の隙間から青白く差し込む光のほうが室内より明るくて、悩んだ末にまた戸を開けた。三人が一斉に振り向く。
「月見酒しやしょうや!」
「団子準備するアル!どっかにあった気がするヨ!」
「さっきまで泣いてたの誰だよ・・・。あぁ、アレ、団子台所の戸棚の一番上にあったぞ。酒も」
「んじゃあ取ってきまさァ」
「私もお前がつまみ食いしないかついてくネ」
バタバタと騒がしくかけていく二人を見送り、新しく煙草に火をつけた。
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