管理人・白野 識月<シラノ シキ>の暴走度90%の日記です。 お越しのさい、コメントしてくださると嬉しいです。
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英検見事に撃沈しました。チョベリバ。でもこれも運命なんです。次にかけるぞー!通知表届いてまた沈むんだろうな。
さてと。何はともあれおきたんです。それだけで嫌なこと忘れられます。日本人は日本語をマスターすればいいんだ。そう思います。それが開き直りだろうがおいといて、久々の小説。
















カクテル作ってるシーンをドラマで見て、自分でも作ってみたくなった。コップ二個をくっつけたような形のヤツに、そこら辺に置いてあった酒を注ぎ、シャカシャカとリズムにのって振る。

意外と楽しいかもしれない。出来上がりがどうなるかはわからないけど。

「ソーゴ」

カランと店の奥へと繋がる扉が開き、中から店主が現れた。暑さにやられたのか、チャイナ服の上の方の釦をあけ、手をヒラヒラと降っている。白い鎖骨の窪みが見え隠れして目に毒だ。

「どうかしやしたかィ?」

「明日お前早番デショ?」

「そうだけど・・・?」

俺の向かいに腰掛け、神楽はチョコレートをカウンターの上の籠から取り出した。

「仕事終わっても、私待ってるヨロシ」

「ハァ・・・」

神楽のボディガード兼恋人兼店の裏方の俺は、住居もコイツと一緒だ。だから、こういう我儘を言われることが多々ある。前に一度、お前何様だよと吐息程の声で呟いたら運悪く耳に届いてしまったらしく女王様ヨ。と不敵に笑われた。

そろそろいいか、と容器を開け氷を入れたグラスに酒を注ぐ。色は淡い桃色で中々綺麗なのだが、味はどうなのだろう。

さァ飲もう、とグラスを手に取った瞬間、横からかすめとられた。そのまま一口、白い喉がゴクリと鳴った。

「お前・・・」

「意外と美味しいネ。・・・じゃ、明日頼むわヨ」

「へいへい」

カラン、と氷が音をたてた。





溶けた天の川





「お疲れ様です、沖田さん」

「おぅ、お疲れィ」

俺よか遅くあがった奴らが先に帰っていくのを横目に見ながら、また昨日と同じように酒を作る。シャカシャカ、シャカシャカと無心で。昨日の作品は上手くいった。いい意味で呑んだことない味だった。でも少しクセがきつかったのは酸味がですぎたからだろう。

だから、今日のはそのリメイク版。酒の比率を変えてみた。

カラン。昨日と同じように扉が開く。その向こうには、珍しく和服を着た神楽が立っていた。

「遅ェよ」

「これでも急いだほうヨ」

どうだか。と肩をすくめるとカウンターの上に白い箱を置いた。形的に、ケーキの箱のようだが・・・。

その箱を凝視する俺を、神楽が小さく笑った。

「何なんで?ソレは」

「ただのケーキ。まだわからないカ?」

ケーキ・・・。普通は祝い事がある時に食べるもので、時偶、おやつにも出てくることがある、ではなくて。今日は何かあったっけ?

「・・・お前、今日誕生日でしょ?だからお祝いしてやろうと思ったの。ありがたく思いなさい」

「あ、誕生日・・・」

そういえば、すっかり忘れてた。餓鬼の頃は忘れることなんかなかったのに。大人になる、ってこういう事なのか。

「そ。ほら、お祝いしましょ」

六号ぐらいの小さなバースデーケーキを箱の中から取り出した。小さいけれど、飾りは見事で。食べるのが少し、もったいない。

「・・・ありがとう、ごぜぇやす」

「礼なんて言わないで欲しいアル。気持ち悪くなるわ、お前が使うと」

大雑把にケーキを二つ切り分け、神楽は大きいほうを俺に渡した。

「アンタこそ気遣ったりしねぇでくんねぇ?俺は小さいほうでいいですぜ」

言いながら酒を二つのグラスに注ぐ。色が昨日よりか鮮やかになっているのは成功の証か、それとも。

「・・・ハッピーバースデー」

グラスを傾け乾杯し、一口、味見した。酸味が抑えられていて、昨日のあれより断然おいしい。



夜はまだ、始まったばかり。
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