こんばんわ!原稿描こうとしたら色々事件があって参りました。愛用の丸ペンには錆が・・。愛用のプーさんの定規はこの間から行方不明。
しかもまたもや表紙描き忘れてました。
でもなんやかんやでちゃっかり小説うってます。
それでは、どうぞ
“口付けると、相手に自分の気持ちが伝わり、その上相手の気持ちもわかる――――”と近所のおねーさんは言っていた。
それなら、なんで皆チューしないで言葉を交わすのだろう、と餓鬼の頃思った。
それを、近藤さんに訊ねたら、
――――皆が皆、接吻すれば気持ちが通い合う、っつうわけじゃなくて、稀、なんだよ。気持ちが通い合うなんて。
で、気持ちが通い合った相手が自分の“運命の人”なんだ
そう、言っていた。
俺の気持ちは、届いてますか?
Ma cherie 第十七話
「近藤さーん!」
「おう、総悟」
いつも通り豪快に笑いかけてくる近藤さんの後ろには、気まずそうに外方を向いてる土方さんが。
・・・あ、そうか。アノ時から今まで、仕事なかったから、初の顔合わせになるのか。
そりゃあ気まずいよな。土方さんなんか特に。笑いを堪えていると、近藤さんが改まった口調ですまない、と呟いた。
「何がですかィ・・・?」
何もされてないし、謝られるような事は何もないはずだけど。
「こないだ邪魔したみたいで・・・」
「えっ・・・?」
邪魔した、とはあの引っ越しの日の事だろうかってかそれしかないよーな気がする。というか、土方さんは弁明してない訳?あんなにあたふたしてたのに。
「土方さん、弁明してねぇんで?」
「・・・聞く耳持たねぇんだよ」
不機嫌を表わにした表情で、なんとなくその時の状況がどんな感じだったかわかった。一生懸命言い訳・・・弁明しようとしてる土方さんに、「応援するから、言い訳すんな」と全く話を聞かない近藤さん。易々と脳裏に浮かぶ。
「近藤さん、あれはですねィ・・・事故なんでさァ」
「総悟まで・・誤魔化さないでいいんだぞ?」
「そりゃあ、俺は土方さんが好きですけどねィ?土方さんにはその気はねぇんでさァ」
さらっととんでもない事を言ってのける沖田に、土方は絶句した。が、それに近藤が頷くのをみて、頭をふった。
――――――自分は何か、とんでもない程の悪夢を視ているのでは・・・。
そう、思い込もうとした。けれど、人生そんなに楽ではない。
「あのな、」
漸く口を開いたが、近藤が鬼の形相・・・とまではいかないが、険しい顔をしてくるので、言葉が続かない。
「・・・何だよ、近藤さん」
「総悟の純情、弄んでんのか?」
「えっ?ちょっ、近藤さん、違いまさァ・・・」
「総悟、何も言うな」
「・・・だから勘違・・」
「トシ、どうなんだ?」
険しい顔をしている近藤さんの後ろで、珍しく戸惑った表情をしている沖田に目をやった。
嫌いか、と問われたら嫌いではない、と答えるだろう。だけど、好きか、ときかれたら・・・。熱烈にアタックしてきてて迷惑だが・・・。
「・・・ちゃんと真剣に考えてんよ」
「マジでかっ!?土方さん!」
ガッ、と身を乗り出し近藤を押し退けた沖田は顔を綻ばせている。
「・・・一応、は」
照れ隠しに頬をかいている土方に沖田は抱きついた。
「大好きでさァ!!」
「ぅぎゃあっ!」
ドタッ、と派手な音をたて、二人は床に倒れ込んだ。それでも沖田は気にせず、猫のように頬を擦り寄せてくる。ぷにっ、と柔らかくて気持ちいいのだが。
「・・中々お似合いだぞ?二人とも」
ニヤニヤしつつ見下ろす近藤を睨み付け、土方は溜息をはいた。 PR