今日、正式に成績表を渡されました。
微妙なのがすんごい多い。あれ少し腹立たしい。あとちょっとで・・・とかいうのが。
それでは百人一首。随分前に書いたやつだから拙さ倍増・・・。
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川
からくれなゐに 水くくるとは
ある晴れた日曜の朝
「チャイナァ、好きって言いなせぇ」
「何アルカ突然に。お前にそんなこと言ったら口が腐るヨ」
「やべっ・・・じゃあ俺の口も腐っちまいやすねィ・・・」
「んだとコラァァァ!!!!」
いつも通り、他愛のないことから喧嘩は始まる。そりゃ馬鹿らしいと自分でも思うけど、こえでもしなきゃ会話さえまともにできない。
拳で語り合う・・・とかそんなんじゃなくて、ただ傍に居られればいい。
「ホアチャァァァ!!!」
掛け声とともに傘の先っちょから銃弾が放たれる。それを身を翻し避け、着地とともにチャイナ娘のほうへ刀をなぎ払う。スパ・・・と何かの手応えを感じ、視線で音を辿れば真っ二つの酢昆布。コトッと音をたて地面に散らばった。
ヤバイ。あれはこいつの大好物なのに。
「おまっ・・・!!何するアルカ!!!!」
泣き崩れるように酢昆布の前にうなだれる。そんな姿を見て浮かべるのは、いつもの黒いとか裏があるとか言われる笑みではなくて、優しそうな笑顔。
本人さえも、気付いていないけれど。
「・・・買ってやりやすよ、1ダース」
「えっ・・・」
驚愕した表情のまま顔を上げると、神楽の目には今まで見たことがないような程優しい顔をした沖田が居た。
(コイツ・・・頭でも打ったのか・・・?)
本当に、一度たりとも見たことがない。そりゃ、新八や銀ちゃん達みたく一日中一緒に居るわけじゃないから、普段どんな顔してるか、なんて分からない。けど、多分滅多に見れないんだろうと思う。
「しょうがない。我慢してやるヨ」
「・・・たまには素直になりなせぇよ、神楽」
「私はいつでも素直です~。ってかさりげなく名前呼んでんじゃねーよ」
「へーいへい。んじゃ行きやすぜ、神楽」
「だから名前呼ぶなつってんだろ!!」
繰り出した蹴りを軽々と避けると、沖田は両手をポケットに突っ込み歩き出した。
後を追うように、神楽は歩き出す。沖田の斜め後ろを、つかず離れず微妙な距離を保ち、テクテク歩く。
コイツは何を考えてんだろう。好きって言えって要求してきたり、喧嘩うってきたり、おかしなぐらい優しくしてきて“変になった”としか言いようがない。
「神楽ァ、何ボーッとしてんで?」
「え・・・?な、何でもないアル。早く寄越すヨロシ」
いつの間にか買っていた酢昆布を受け取り、早速一箱取り出した。
「・・・ってか何でお前はアイス買ってんだヨ」
「食いたいから」
「・・・私の分は?」
「あるわけねぇだろ」
即答し、ペロッとアイスを美味しそうに舐めた。挑発されるように、アイスを掴もうと手を伸ばす。だがそれより一瞬早く、沖田は手を真上に挙げた。
・・・ギリギリで、届かない。
「寄越すアル!!!!」
「嫌でィ」
ガッとしがみつき、手を伸ばしたら今度は後ろに手を引っ込まれる。
これはもう、肉をたって骨をたつしか、ない。
「そうご、私お前の事好きヨ」
「え・・・?」
呆気に取られ、フッと力の緩んだ腕を引き寄せ、パクリと一口、アイスを口に含む。汗ばむ陽気で食べるアイスは格別だ。
「ん、美味い」
「かっ・・・神楽ッ!!」
口をパクパクさせる沖田を、馬鹿にするようにニヤリと笑った。
ざまぁみろ。お前が私の上に立つなんて百年早い。
「おそれみろ、愚民が!!」
「・・・本当、お前って・・・」
顔を腕で覆い、沖田はボソッと呟いた。
#17 PR