有言実行!アレ?漢字あってます?兎に角、今日中に打てました。
五月に修学旅行で定番の京都・奈良へ参ります。
新選組だぁぁ!!
っという具合でまだ一ヶ月程先なのに楽しみでしょうがないです。清水寺行って、後は新選組関連を・・・。旧前川邸に壬生寺、新選組記念館、池田屋跡に八木邸。後、寺田屋も。全部行ける筈がありませんがウハウハですよ(笑)
俺は、一度だけ総悟の本気の剣を見た事がある。長年傍に居て、ただ一度だけ。多分、近藤さんもあの時が初めてだと思う。これ以上ないって位目を見開いて、口開いて。
ただ一度だけの最高の剣技。
万有引力
アレは何時の事だったか。確か、未だ芋道場に居た気がする。彼処を出る、少し前辺りだった。
近藤さんもかどうかは知らないが、俺と総悟は新しい、広い世界に出る事を夢想していた。勿論、口に出して言った訳じゃない。多少会話らしい会話をするようにはなっていたが、それだって伝言だとか必要事項だけで後は大体口開きゃ、喧嘩ばかりしていた。
それでも互いにわかったのは、ふとした拍子に空を見上げていたり、顔に出てたり目が同じような事を考えている、そんな風に見えたからだと思う。
多分。
自分の剣を、力を試したくて、命を賭けられる物を見付けたくて、こんな狭い世界じゃなくて未知の世界へ、日本中を旅してみたかった。なんて、今考えりゃ俺も青臭かった。
それでも、道場を捨てたい、とか思った訳じゃない。こんな俺を拾ってくれた恩もあるし、なんせ近藤さんが居る。離れる、なんて出来ない。俺にとっての太陽なのだから。人は太陽なしでは生きていけない。自分の力だけでは。
多分、総悟も同じような思いだったのだろう。
病弱の姉を放ってなんてアイツには無理で。慕ってる近藤さんからだって離れられないんだ、絶対。
そして、アイツが初めて真剣を振るったのが心の中で物凄く葛藤していた、そんなある日。
朝から小雨がぱらついていて、気温も湿度も、少し寒い位で丁度良かった。そういう日は、必ず総悟は散歩をしていた。一人で足が進むまま、知らない道をズンズンと。それでたまに猫拾ったりしていた。
朝は小降りだった雨が、午後になるとともに雫が重く大きくなって。それでも帰らない総悟を探しに近藤さんと二人、外へ出た。俺には超能力があるのか、勘の言うとおり歩んで行くと、必ず総悟へとたどり着いた。全然いらない勘だけど、むやみやたらと探し回るよか、こんな日は都合がいい。
傘差して歩くのもきつい小さな抜け道を抜けると、薄茶が視界に入った。服も下駄も、全てがびちゃびちゃだった。ホッ、とし近藤さんが口を開いた。
「総・・・」
「っ近藤さん!!」
ヒュッ・・・と顔の横に刀が刺さった。コレ避けられたのまさに神業じゃねぇ?だって、コレ目に映らなかったぞ。それ避けたって・・・中々ってか結構ヤバくね?視界に映ったのは、近藤さんに向かって刀を振り下ろす男と、その剣を、神速で弾き返した総悟。
流石は神童。
あんなの普通弾けない。
「近藤さん・・・大丈夫ですかィ?」
「あ、ああ・・・にしても凄いなァ、総悟」
「そんな事ありやせんよ」
何事も無かったように話す二人に焦れったそうに男が短刀を抜いた。
「お前らまとめて相手してやるよ」
先程刀を弾かれたのを紛だと思う事にしたのか、意地汚い笑みを浮かべ間合いを詰めた。
「アンタねェ・・・早く帰りなせェよ」
呆れて溜め息をつく総悟に堪忍袋の尾が切れたのか顔を真っ赤にし、その男は禁句を吐いた。
「お前ら皆、首切り落として橋に吊り下げてやる」
刹那の間に総悟は壁に突き刺さったままだったソイツの刀を抜き、振り返り様横なぎになぎ払った。刀の背で撃ったから外傷はないが、肋骨の四、五本は軽く折れてるだろう。その後さらに、総悟が得意とする突きをみぞおちに一撃。
全てが瞬きする間の出来事で。驚き、気が付けば傘が足元に落ちていた。
「総・・・悟」
未だ放心状態の近藤さんに変わって口を開いたが、喉がカラカラに渇いて、声が可笑しな位かすれていた。
「総悟」
「・・・土方さん、コイツ死んでねぇですよねィ?」
刀を投げ捨て、振り返ったが、いつもの黒目がちのあどけない目では無く、瞳孔が開き、なんの感情も見れない。
「―――――多分な」
「・・・良かった」
全然良かったと聞こえない声色が、別人のように思えた。
「総悟」
「何ですかィ?近藤さん」
「・・・いや、やっぱなんでもない」
あんな脅しの一言に反応するな、と言いたいが自分らの事を思っての行動だし。
「帰ろう、早く。風邪引くぞ。な?」
見なかった事に。そう考えてるのが丸分かりで、思わず噴き出した。 PR