こんばんわ。最近寝るのが遅くて困ってる識月ですこんばんわ。まぁ自分が悪いんですが。
というか咳が未だ止まらないです。病院行くべきでしょうか。
今日、お母さんが「アンタの小説らしきもの見たよ」と言ったのでとうとうバレた!?とか思ってたら私のお気に入りのサイト様でした。よかった・・・。
「ただァいま~」
「おう、おかえり。総悟、トシ」
「おかえりなさーい」
堂々と局長室で寛いでる俺に、“俺らはこんな時間まで歩き回ってたのになんでお前はこんなトコで茶ァしばいてやがる”と副長に視線で言われ背筋を冷や汗が一筋伝う。
「アレ?近藤さん泣いてたんで?目がウルウルしてらァ」
俺らのやりとりなんざミジンも気付かず、代わりに局長が泣いてた事に気付いた。
流石沖田さんだ。局長が1kg痩せてもわかりそうな気がする。
「山崎になんかされたか?」
未だ目の奥で危険な炎をちらつかせ、俺を睨む。流石鬼の副長と吟われてるだけはある。怖すぎて苦笑しか出ない。というか勤務時間外までそんな怖い顔をしないで欲しい。心休まる時が中々こないんだから、俺には。
「それがなァ、すっごくいい話だったんだよォ~!」
先程まで見ていたあの話を思い出したらしく、再び顔をぐちゃぐちゃにし泣き始めた。そんな局長にすかさずティッシュ箱を渡す。
「どんな話だったんで?ザキ」
二人仲良く・・・・・・というより本気で空いてるテレビの真正面の席を取り合いながら、普段通りの口調で問われ、また苦笑。
「その呼び方止めてください。先刻やってたのは・・・」
「可哀想な女の子の話でなァ」
素で台詞をとっていかれ、恨むに恨めない。けれど、素でやってるのが一番質が悪いんだ、沖田さんと同じぐらい。
「八歳なのに白血病にかかっちまってな、死んだら、ダイヤモンドにしてくれって」
「ダイヤモンド?」
見事ハモった声に二人して不快そうに顔を見合わせるから思わず吹き出してしまった。ギロリとまた一瞥くらい、口を閉ざした。
「ああ。遺骨でダイヤモンド作れるんだってよ。それテレビで見て知って、最後の願いだっつって・・・・・・」
段々と弱々しくなっていく声に、重なって鼻をすする音が聞こえる。
優しすぎる、この人は。そう思いつつ沖田さんに視線を向けると、困ったように笑んで副長に視線をやった。それにつられ俺も副長を見ると・・・。
そういえば、この人も涙腺脆いんだった。先程までの威圧感は影を潜め今は目元を抑え肩を震わせている。
沖田さんは溜め息一つはき、ティッシュを数枚局長から受け取り、慣れた手付きでなだめ始めた。
「なんつーいい話なんだ・・・。なァ、総悟」
「あーハイハイ。そうですねー土方さん。早く泣き止め」
面倒臭そうに相槌を返し局長の隣まで膝で歩いていき、沖田さんは其処に座った。
「俺が死んだらダイヤにしてお菊の鍔に埋め込んで、近藤さんが持っててくだせェよ」
「何言ってんだ総悟。そんな事言うな。な?」
「もしもの話でさァ」
にっこりと笑って言ってるけど、そんな事冗談だろうが言わないで欲しい。少なくとも、この場には真撰組には沖田さんの死を心から願う人なんていない。
沖田さんがもたらした思い沈黙を破ったのは意外にも副長だった。
「・・・てめぇは象に踏まれても生きてるだろうよ」
「何ソレ。俺も人間ですぜ?アンタは俺に殺されるって相場は決まってやすが」
「上等だ。死ね」
「アンタが死ね」
「死ねクソガキ」
「死ねマヨラー」
「いい加減にしなさい!」
いまの局長の仲裁の仕方が母親口調で喧嘩してる二人には悪いが爆笑してしまった。それにつられて局長も、ガハハと豪快に笑う。
―――――平気、だと思う。
この人達なら。死神にだって勝てる。そう思える。
後味悪めな仕上がり。コレ続けたら絶対病ネタになりますよ。
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