管理人・白野 識月<シラノ シキ>の暴走度90%の日記です。 お越しのさい、コメントしてくださると嬉しいです。
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・予告通り、アップしようと思います。このあいだの金?かな?雰囲気的に金。アレ?名実ともに金です。
お腹痛い・・・けど明日から休みなので頑張ります。












真っ暗闇の公園の入り口に、金色の瞳の猫を見付けた。漆黒になびくふさふさの毛に鋭く光る金色色。俺の髪の色がお気に召したのか、気取った歩みで徐に近寄り、頬を擦り寄せてきた。愛想の一つも浮かべない、けれど甘えたその仕草に何故か愛着が湧いた。喉元を優しく撫でてやると、漸く猫らしい甘えた声で鳴いた。やっぱ猫は鳴かなくちゃ。 

暫くそうしていると不意に、その猫が元いた方へ駆け出した。何の挨拶もナシかよ、と少しすねたけれど本来猫はそういうもんだ。自由奔放で究極の気分屋。いいなァ、俺もなりてぇよ。そう思いつつ、猫の行った方へ視線をやると、白く浮かび上がる、二本のライン。手元に、ミルクらしきものを持っていた。 


小雨の公園。 










夜光の裏側 










なんで唐突にあの夜の事思い出したんだろう。 


「総悟ッ!!」 

前を見ると真っ赤な信号。けれど俺は其所で急ブレーキ踏むような人間ではない。構わず加速し、交差点を越えたところでハザードを出し、止まった。そうしなきゃ皆ついてこれねぇし。 

俺ってば超優しい。

なのに。 

「・・・っにテメェやってんだよクソ餓鬼!!!!」 

「何って運転・・・」 

「ンなのァわかる!!信号無視してんじゃねぇよ道路交通法違反だぞ!」 

なんで怒鳴るんだ?この人ァ。止まっただけでも良しとしろよ。教習所の教官じゃねぇんだから。 

「しょうがねぇですぜ。俺、免許取り立てだもん」 

「え、」 

後ろの信号が青くなったのと同時に此方も走り出す。目的地まであと数分で着くだろう。とわかってはいるのに何故かアクセルを強く踏んでしまうのは癖ってか性格? 

「―――――俺いつからお前に運転させてたっけ・・・?」 

「三年ぐらい前?」 

「・・・いつ免許とった?」 

「先月でさァ。立派な無免許運転だねィ」 

約三年間も無免許続けてた・・・って近藤さんは途中から気付いてたらしい。アレ?コイツ免許無くね?って風に。でもま、土方さんが気付いてないんだしいいか、と二人で思ってた。でもまさか気付かないとは、って訳で念のため、先月免許をとった。いくら警察が信号無視してもいい、といったって緊急時だけだし、無免許が許される筈がない。 

「つきやしたぜ、土方さん」 

暗い影を背負い、ぶつぶつ呪文を唱えていたが、仕事中だということを思い出したのかいつも通りの険しい顔に戻った。多分。 

この切り換えが面白い。何もなかったかのように仕事して、一人でいるときにまた思い出す。 

「んじゃ俺ァ表固めとくから」 

「俺に改めさせるんで?」 

「ガンバレ」 

「働けよ税金泥棒」 

「働いてるだろーが。それにてめぇがやったほうが早ェよ」 

「はいはいわかりやした。ディナー奢れよ」 

「・・・気が向いたらな」 

パタンとドアを閉じ歩き出すと、自然に周りに皆寄ってくる。恐らく、事前に土方さんが指示していたんだろう。半数は俺について行け、と。 

「んじゃ、さっさとやっちまいやすか」 

愛用の銀色の銃と刀を持ち、その店の扉の真ん前に立つ。本当は刀片手に・・・って行きたいけど狭いと不利になるし。 

土方さんみたく蹴り飛ばす訳でもなく普通に扉を開ける。 

「御用改めでさァ!」 

店内に居たのはただ一人だけだった。金色の超くせっ毛に無気力な濁った目。こんなんがホスト?世も末だなァオイ。とか土方さんだったら早速喧嘩を売るだろうが生憎俺はそんな質面倒なことは嫌いだ。外見はスルーし本題に入る。 

「麻薬の密売やってるって本当ですかィ?」 

「・・・ど真ん中光速ストレートで来たね」 

苦笑しながら頭を掻く。癖だろうか?なんて人間観察してる暇はないか。早く帰って螢の墓見なくちゃ。 

「俺は知らないからこの店の主人に聞いてくれる?上で飴舐めてるから。ってかついでに飴返して貰って」 

「気が向いたら返して貰ってきまさァ」 

お願いね~!という飴ごときで切実な声に背を押され俺は二階への階段を音をたてずに上がった。上りきった真っ正面に真っ赤なドア。カントリーな階段に廊下、壁。不釣り合いだと俺でさえ思う。センスが悪いわけではないと思う。多分、ただ単に赤い色が好きなんだろう。 

入る前にノックすべきか悩んだ。確か、ここの主人は女だって土方さんが言ってた気もしなくもない。でめ御用改めだー!って来てノックはしないよな。逃げられる。いや、でも人権的にはすべき?ってか人権的ってなんだ? 

結局申し訳程度にノックをして扉を開いた。ノックなんてすんの、久々だな。徹夜してる土方さんの部屋のドアを此方も徹夜して叩いた時以来だ。 


真っ赤なチャイナドレスを来た女が、飴の包みを開いたり閉じたり・・・と暇そうにいじっていた。 

「お前・・・」
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