宴会―――否、パーティーが始まった20分後、早くもその場は荒れ狂っていた。
さり気なくまじっているゴリラ、ではなく近藤に、真っ赤な顔をし、皿ごと料理を食べそうな勢いの神楽。まぁその他モロモロも、個性的な酔い方をしている。
「動物園かっての。此処はよォ」
転寝から目覚めた銀時は、その悲惨な光景を見、つっこんだ。
本来、このツッコミを入れる――役目、ではなくもう宿命を背負っている新八は銀時の隣で酒瓶を抱え気持ちよさそうに眠っている。
「寝ちゃあ駄目だろ。マジでぼけの巣窟になるっつーの」
「そうでもないわ、銀さん」
独り言であったはずの台詞に、返事が返ってきた。その声は、銀時もよく知っている、甘く、生理的嫌悪を与える―――
「銀さん、あなたが望むのなら、私はツッコミにもなってみせるわ!」
「俺はおめーがこの作品に2度とでねー事を望むわ。」
本当にうざったそうな顔で告げるか相手はびくともしない。まぁ、相手は納豆独特の粘り強さとドMを兼ねそろえたさっちゃんなのだから。
更に、テンションはヒートアップ。
「何よ、もっと蔑めればいいじゃない!楽しいんでしょ?私をいじめて。さぁ、もっと!」
「すみませ~ん、チェンジして。誰か、ゴリラでもいいからさ」
が、だれもが皆、自分の事で手一杯なのだ。従って、誰も聞いていない。
「散々焦らした挙句放置プレイ?こんな人の多いところで・・・」
「もう頼むから帰れや」
と、銀時が言い捨てると同時に、何処からかさっちゃん目がけてビンがとんできた。
投げた本人はそんなつもりはないだろうが、それは見事にさっちゃんの顔に命中し、ドサッ、とさっちゃんは倒れた。
その音に反応してか、新八が目を覚ました。
「あ・・・れ?銀さん」
まだ酔いが回っているのと寝起きなので頭がボーッとしているのだろう。何かを必死に考えていたようだが、まぁいいや。と呟き、銀時のほうを見た。
「・・・大丈夫ですか?いつもより目が死んでますよ?」
「おまっ・・・酔ってると冷たいな。・・・家帰って一人で飲み直そうかな」
来年は、一人で酒とケーキでも食って地味に過ごそう、と思った銀時だった。
お読み頂きありがとうございます。
さっちゃんのお陰でスムーズに片付きましたが、なんだかなぁ・・・