管理人・白野 識月<シラノ シキ>の暴走度90%の日記です。 お越しのさい、コメントしてくださると嬉しいです。
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ただいま金欠中の識月です。やっぱCOCCOっていいですね。金欠の事なんて全て忘れます。って現実逃避かしら?
一日が48時間だったならいいのに。と思います。そうしたら、10時間寝て24時間ぐらい小説かくのに。・・・って無謀ですね。

それではMa cherie第六話です。












“記憶”なんてものは人にとってとても都合よくできている。日常生活だと、「なんで嫌な事ばっか覚えてんだろ」とか思うけれど、自己防衛機能はちゃーんと付いている。本当に都合が悪い事は忘れ、“自分”を壊さないように。

ふとした瞬間、フラッシュバックするけど、ね。

         Ma cherie  第六話  

昔の、夢を見た。

戻りたいけれど戻りたくない時の夢を。

重い目を擦り顔を上げると、そこには沖田の姿が。

「あ、起きやした?」

パタン、と分厚い本を閉じ、沖田は頬杖をつき此方を見てくる。

なんで、コイツがいるんだ?

辺りを見回すと、其処は見慣れた自分の部屋ではなく本棚が並んだ広い部屋だった。

上体を起こしても尚、悩んでいるとにこつきながら沖田は言った。

「ここは俺の大学の図書館ですぜ」

嗚呼。成程。昼に、図書館で待ってろっつわれたから俺は律儀にも待ってたんだ。で、本読んでたら眠くなって・・という訳か。

こんな事も考えられなかった、という事はまだ覚醒仕切っていないらしい。低血圧は困る。

・・・煙草でもありゃあ、スッキリするのだが。

「吸いやすか?」

と目の前に差し出されたのは、俺が吸っているのと同じ銘柄の煙草。しかも新品だ。総悟は煙草を吸わないはずなのに、と思い顔を上げたら折よく本から顔を上げた総悟と目が合った。

「此処来る途中で売ってたんで買っといたんでさァ。種類、これでいいんですよねィ?」

「あ、ああ・・」

・・本当、俺の事をよく知っていると思う。最初会った時だって自己紹介いらないくらいだったし。それに煙草の銘柄まで覚えてるしタイミングはいいし。
一緒に仕事し始めてまだ一週間くらいしか経っていないのに。記憶力がいいのか、それとも俺の方が表情に出やすいのか。

封を破りトン、と箱を叩き煙草をだす。口にくわえ、火をつけようとしたら、ペラリ、と本を捲る音とともに沖田がボソッと呟いた。

「図書館は禁煙でさァ」

そういえば。大概の図書館は禁煙・飲食禁止だ。本が燃えたりしたら困るもんな。

「・・じゃあ外出てくるわ」

土方が立ち上がると、沖田も本を閉じ立ち上がった。

「別に起きんの待ってただけですから・・一緒に行きやしょ」

借りたのか、分厚い本を鞄に仕舞い沖田はさっさと歩き始めた。

・・・あれは何の本なのだろう。読書、という言葉から三千光年ばかし離れていそうな沖田が、大事に持って帰るような本、とは。

「はい」

外に出た途端、沖田はライターを土方の顔の前に持っていき、火をつけた。

「サンキュ」

それに火を貰い、煙草をふかす。やっぱ頭スッキリするな。煙草吸うと。

視界の隅にライターをポケットに仕舞おうとしたのがうつり、手を握りそれを制した。

「え・・・?」

ふっと力が抜けた隙にライターを掴んだ。

「あ・・。ちょっと、返しなせェ!」

よく見ると、そのライターは有名なブランド品だった。しかも俺が欲しかった物だ。確か、何十万するから買えなかったのだが・・、何故総悟がンなモン持ってんだ?

興味本位で聞いてみた。

「どうしたんだ?ソレ」

「別に」

バッ、とそれを奪い返し、沖田は大事そうに両手に包んだ。十字架を握るクリスチャンのように。

――――大切な、物なのだろうか。

煙草を吸わないのに持っている、という事は。形見、とかか?

「土方さん」

と振り返った時の沖田はいつも通りだったが。

「何だ?」

「今日泊めてくだせぇ」

「・・・・・ハァ!?」

何故こうも突拍子のない事が言えるのか。

「よろしく頼みまさァ」

有無を言わさぬ笑顔に、思わず頷いてしまったが・・・。



って沖田にも過去に何かあったのでしょうか?

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