コンコン、と静かな部屋に響き渡るノック音。
控えめに叩かれているのだが、締切直前の漫画家と同じぐらい忙しく、苛々してる土方にとってはただの騒音だ。
「んだよ」
「報告書に目を通してください」
「ん」
顔を上げずに書類を受け取り、さーっと目を通し山崎に返した。
そして数分後、またコンコンとノックが。
「んだよ」
「あの・・・。判子が必要だったみたいです」
「ん」
先程と同じように土方は書類を見ずに受け取り、印を押して返した。
そしてまたまた数分後、山崎が部屋を訪れた。
話し掛ける毎に悪くなっていく土方の機嫌に、少々怯え恐る恐るといった口調で話した。
「すみません・・・サインでした」
「ちゃんと読んでから持ってこい」
そして、土方はまた同じような動作を繰り返した。
コンコン、と四度目のノックの時、癇癪玉が弾けた。
「うっせぇ。何度も何度も邪魔すんじゃねぇ!」
「・・・って俺、今日初めてですぜ?」
そこで土方はバッと顔をあげた。
「えっ・・・総悟・・・」
障子を開いて、中に入ってきたのは沖田だったのだ。結果的に八つ当りしてる形になってしまい、土方はバツが悪そうに謝った。
「悪ィな」
「安心してくだせぇ」
よかった。この分なら仕返しをしてこないだろう。と沖田の言う通り安心してしまったが、沖田の台詞には続きがあった。
「こんな理不尽な事をされたこと、死んでも忘れやせん」
「え」
黒い笑みを浮かべ、一言告げてから去っていった。
「久々に奢ってやろうと思いやしたがね、仕返しの準備しなきゃいけねぇんで。じゃあ」
「あ・・」
背筋を悪寒が駆けた。こんな理不尽な思いをしなきゃいけないのも何もかも、山崎の所為だ。
仕事が片付いたらまず、ボコボコにせねば。
御粗末さまでした。なんか意味不明。っていつもの事ですね