カーテンの裏側に入り庭を眺めながら、沖田は口を開いた。
「オイ、吸血鬼」
「吸血鬼じゃないアル。列記とした人ヨ」
「俺にとっちゃお前は吸血鬼なんでィ。こんな豪邸に住んでるしよ、日にあたれねぇ、なんて」
「・・・」
琴線に触れたか、と沖田は心の中で溜息をついた。数年前までは日傘さえさしていれば外へ出ても平気だったのに。持病かなんかが悪化したらしく、今では部屋のカーテンも全部閉めきって、神楽の目に映る光、と言えば自然のものでは炎だけだ。
重い沈黙を、重苦しく神楽が破った。
「・・・好きでこうなったんじゃないアル」
「・・・悪かったなァ」
「おまっ・・・、お前が謝るなんて気持ち悪すぎアルヨ!」
やっぱ謝らなければよかった。と少しは思うが、きっと場の空気をあげる為に言ったのだろう。それにしても酷い言い草だけど。
「へ~、そんな事言っていいんで?勉強教えてやろうと思ったのにねぇ・・・」
「・・・じゃあ、早く教えろよ」
「教えてくださいって頭さげな」
「いい気になってんじゃねぇヨ」
「教えなくていいんですねィ?」
「教えてくださいコンニャロー」
と叫び、神楽は沖田の顔面へむけて飛び蹴りをくらわした。が、沖田は素早くそれを避けた。
「土下座してねぇだろィ?それじゃあさぁ」
「てめーなんざにしてやんぬぇヨッ!!」
そして、また蹴りを繰り出してきた。
あれです。たいようのうたかなんかで病気ありましたよね。ソレです。
で、神楽は金持ちの子で沖田とは幼なじみです。